投資信託には【信託報酬】がかかることを知ってますか?
投資信託の商品を見ていると、信託報酬という項目があります。
証券会社によっては、「管理費用」という項目で表されることもあるこの信託報酬についての重要性を説明していきます。
選び方を間違えると数十万円の利益の差がでることもあります。
信託報酬について正しい知識を身につけて、大損しないように勉強しましょう。
Contents
信託報酬とは?
信託報酬とは、投資信託の運用・管理してもらうためにかかる費用のことで、投資信託を保有している間は、毎日払い続ける費用のことになります。
ただ、別途払うというわけではなく、信託財産の中から「純資産総額に対して年率〇〇%」を日割り計算して毎日差し引かれています。
信託報酬の計算方法
信託報酬の計算方法は、
- 購入金額(時価評価額)
- ×
- 信託報酬(年率○○%)
- ×
- 1.1(消費税)
- ÷
- 365(日割り計算)
となります。
例えば、現時点の保有している投資信託の時価評価額が10万円、信託報酬が0.0968%(eMAXIS Slim米国株式S&P500)とします。
その場合の信託報酬の計算式は、
- 10万円
- ×
- 0.0968%
- ×
- 1.1(消費税)
- ÷
- 365日
- =
- 0.2917....
となり、1日あたりの信託報酬額は約0.29円になります。
1日たったの0.29円、年間でも106.48円です。
これが年率1%だった場合は、
- 10万円
- ×
- 1.0%
- ×
- 1.1(消費税)
- ÷
- 365日
- =
- 3.0136....
となり、1日あたりの信託報酬は約3.01円。年間で1,100円です。
※ただし、時価評価額は毎日変動しますので多少は信託報酬額も変動します。
ちなみに、10万円を年利5%で20年間運用したら?
10万円を年利5%で20年間運用したとすると、信託報酬0.0968%だと20年後の評価額は、約26万(+16万の利益)
信託報酬1%だと20年後の評価額は、約21.5万(+11.5万の利益)。信託報酬の違いだけで4.5万ほど利益の差が開きました。
これだけ信託報酬の年率が重要ってことになります。
※運用益にかかる課税計算は含んでません。
信託報酬の水準の違いは?
信託報酬は投資信託(ファンド)によって、年率約0.1%~約3%までばらつきがあります。
なぜこんなにも差があるのでしょうか?
それは、運用手法に違いがあるからです。
投資信託には、アクティブ運用とパッシブ運用というものがあり、この運用手法の違いによって年率の幅が広くなっております。
パッシブ運用とは?
パッシブ運用とは、ベンチマーク(インデックス)の動きに連動して、運用成果を目指す手法になります。
ベンチマークとは、日経平均株価などの市場全体の値動きを表す指標のことを言います。
パッシブ運用は、銘柄選定のプロセスが少なく、運用会社の報酬等が低水準であることにより、信託報酬は低い傾向にあります。
アクティブ運用とは?
アクティブ運用とは、ファンドマネージャーやアナリストが今後期待できる銘柄を選定し、運用成果を目指す手法になります。
したがって、情報収集や分析等のプロセスが多く、収益を求めて積極的に運用をするため、信託報酬が高い傾向にあります。
投資信託の運用に違いは?
パッシブ運用かアクティブ運用か、どちらがいいのかファンドによって運用実績が違うので判断が難しいところではありますが、
短期的にみて、ハイリスクハイリターンを望むのなら、アクティブ運用。
長期的に見て、ローリスクローリターンを望むなら、パッシブ運用がいいと思います。
長期的な場合、アクティブ運用よりもパッシブ運用の方が運用実績が上回っている投資信託が多いようです。
投資信託選びに迷った時は、パッシブ運用(インデックスファンド)を選べば問題ないと思います。
まとめ
信託報酬は、投資信託を選び購入する上で非常に大切な判断材料になります。
運用実績も重要ですが、信託報酬にも着目しできるだけ信託報酬額の低い投資信託を選ぶようにしましょう。
投資信託は長期的に資産を増やしくための手段でもあります。長期で見た時に信託報酬の差は大きくなりますのでしっかりと考え選びましょう。